警部ジョージ・ジェントリー
アラン・ハンターの人気小説原作の骨太なミステリードラマ。
2007年 25話
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第1話
1964年ロンドン。警視庁に勤務していたジョージ・ジェントリーは内部の腐敗を暴こうとし、最愛の妻を亡くす。一度は退職を決意したジェントリーだったが、妻の殺害に関与したと思われるギャングのボスが、イギリス北部の町で、若いバイカーの葬儀に出席したと聞き、妻の敵を討つべく「最後の事件」の捜査を申し出る。彼は自らの正義感を曲げることなく、警視庁での勤務を夢見る若きバッカス巡査を相棒に捜査に乗り出す。
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第2話
ハクスフォード空軍基地の近くで、男の焼死体が発見される。唯一の遺留品である指輪は運送屋のルアイリ・オコネルにつながる。そして同時期に、基地に勤めるオショネシーという男が行方不明になっていた。2人の接点はアイリッシュクラブに行っていたことだ。そして2人がIRAへの銃の横流しに関与した可能性が見えてくる。ジェントリー、バッカスらは特捜部のエンプトンと協力して捜査にあたる。
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第3話
ノーサンバーランドの港でドイツ人実業家であるグンターの水死体が発見される。遺体の状況から他殺と判断したジェントリーは、バッカスと捜査に乗り出す。グンターは20年前に戦争捕虜としてこの地で過ごしており、息子夫婦と共に当時世話になった養豚場を営むハーディメント家を訪れていた。地元住民の中には戦争以来、ドイツ人を快く思わない者も多く、町では戦争に対する人々の思いが交差しており…。
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第4話
老朽化した邸宅で一人暮らしをしていた老人アルフレッドが惨殺された。その邸宅は、アルフレッドの意に反して、彼の妻と、その弟の医師が率いる計画委員会によって、不動産開発業者のコーラ・デビッドソンに売却されようとしていた。そして、ここはもともと児童養護施設で、コーラはそこで育った児童の一人だと判明する。ジェントリー警部とバッカスは過去に児童養護施設で起きたことが殺人事件に関係していると見て捜査を進める。
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第5話
とある教会で、若く美しい女性の遺体が発見された。被害者の名前はオードリー・チャドウィック。両親の話では看護師だというが、実は男性向けのクラブで働くホステスだった。しかも殺される数週間前、不法な中絶手術を受けていたことが発覚する。図らずもクラブの常連客だったバッカスは、ジェントリーと共にクラブへ赴き、関係者への聞き込みを開始。被害者を取り巻く、肉欲と愛憎に満ちた人間模様が明らかになっていく。
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第6話
マギーという若い母親の遺体が発見され、その近くには彼女の赤ん坊が瀕死の状態で放置されていた。まだ人種差別が横行していた時代、イギリス人のマギーの赤ん坊がアラブ系の顔立ちだったことから差別がらみの犯行が疑われる。ジェントリーたちは、マギーの恋人で行方をくらました白人のジミーを捜索する中、トーマス・ジャミール・アリというアラブ人の名前にたどり着く。そしてマギーの子供の父親が判明すると事態は急変し…。
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第7話
製粉工場の工場長であるフラーが首つり自殺を図り、工場内で発見される。遺書は見つからず遺体のポケットからはオフィスの鍵だけが見つかる。しかしオフィスには鍵がかかっておらず、金庫から現金が盗まれていた。その頃、町では選挙戦が繰り広げられていた。労働党候補のパーショアは製粉工場の経営者であり、自殺したフラーは工場の元経営者であった。フラーの自殺の裏に隠されていた真実があると考えジェントリーは捜査を進める。
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第8話
30代の女性ドメニカの遺体が自宅で発見された。犯人は別居中の夫アランだと判明するが、ジェントリーは、アランと現場にいた娘アグネスが何かを隠していると違和感を覚える。4か月後、キャンプ場で男児の連れ去り事件が発生。同じキャンプ場では1年前に、女児が崖から落下する事故が起きていた。そしてどちらの現場にも、ドメニカの兄ダレンの姿があった。捜査が進むにつれ、この家族に隠された恐ろしい事実が明らかになる。
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第9話
CND(核軍縮運動)がポラリス潜水艦の入港に抗議したデモの翌朝、CNDの主要メンバーだったダラム大学の教授、フレイザーが遺体となって発見された。フレイザーは自由恋愛の実践者でもあり、教授から生徒まで大勢と関係を持っていた。ジェントリー警部とバッカスは、フレイザーが女性関係で恨みを買った可能性もあると見て、ダラム大学にいるCNDのメンバーを中心に捜査を進める。
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第10話
女子高生が死体で発見される。事件の鍵を握っていそうな“恋人”は、架空なのか実在するのか、秘密の多い彼女の恋人捜しは難航する。殺される前に書き残していた手帳や、親友にほのめかしていたヒントから、疑わしい人物が次々と挙がるが、みんな決め手にかける。何かを隠していそうな彼女の親友を喋らせようとするジェントリー警部とバッカス巡査だが、殺された少女と同様、彼女も心を固く閉ざしていた。
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第11話
ロンドン警視庁時代の情報屋、チャイナの訃報がジェントリーの元に届いた。検視報告によれば、ウェラビーで路上生活をしていたチャイナは、廃虚のそばで酔い潰れて転倒し、頭を打って死んだという。最期の数か月を彼がどう過ごしていたのか、それを知るべく、ジェントリーはジョンと共にウェラビーへと足を運ぶ。しかし、遺体を確認し、関係者に話を聞くうちに、チャイナの死に関する数々の不可解な点が浮上して…。
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第12話
1968年、イギリス国内では移民問題や人種差別が深刻化する。ニューカッスルのカールトンというクラブでは、人種の壁を越えて若者が集まり、ノーザン・ソウルという黒人音楽に合わせて夜通し踊っていた。そんなある日、カールトン近くの空き地で、黒人女性、ドロレス・ケニーの遺体が発見される。それを機にクラブ内にあった人種平等が崩壊し、ジェントリーは地元社会に広がる人種差別の底流を暴くことになる。
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第13話
川に転落した車の中から、若い女性の溺死体が発見された。車の所有者は広大な土地を持つ伯爵で、遺体の女性は英国王立音楽大学の学生エレンと判明。村でのコンサートのあと、エレンはロンドンへ帰る予定だった。誰が彼女を車に乗せ、水中に置き去りにしたのか?上流階級に対する国民の反感が強まる社会情勢を背景に、ジェントリーたちは、恵まれて見える上流階級の苦悩を目の当たりにすることになる。
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第14話
ある夫婦の家から白昼堂々、赤ちゃんがさらわれた。これは単なる身代金目的の誘拐なのか、夫婦に恨みを持つ者の犯行なのか。ジェントリー警部とバッカスは赤ちゃんが養子だったと知り、母子ホームを調べる。捜査を進めるうちに、この赤ちゃんを養子として迎えようとしていた夫婦は他にもいたことが判明。また実の母親は、赤ちゃんを手放したくなかったようだ。養子縁組、そして母子ホームにも怪しい点が見えてきて…。
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第15話
汚職警官だったメルビン・ラティガンは、ジェントリーに告発されて故殺罪で禁錮30年の刑を受けていた。しかし彼は、ジェントリー自身も汚職犯罪者であり、ラティガンを失脚させるために証拠をねつ造したと主張して、控訴することになった。さらにはジェントリーが地元のギャングに潜入していた捜査官を殺害した疑いも生じる。ロンドン警視庁本部の警察官たちはジェントリーを告発するためにバッカスに協力を要請する。
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第16話
ニューカッスルの貧困地域で再開発が始まると、立ち退きに抗議する住民たちは暴徒と化し、警官たちと衝突する。暴動のさなか、解体予定の建物の中で血を流し倒れている警官が見つかる。暴動の場にいた者たちは署に連行されるが、そのうちの1人が留置場内で謎の死を遂げる。一方、復職したジェントリーはバッカスから退職届を受け取るが、退職までのひと月で考え直すよう言い聞かせ、2人で捜査に向かう。
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第17話
若い女性、メーガン・ウェッブの遺体が海岸で発見された。メーガンは、トッドとチェリー・ストレッチ兄妹が運営するブルーバード休暇村で演者として働いていた。怪しいのは同僚で元カレのゲイリー、同居人のジャスティンとゲイル、そして母親のアグネスだ。ジェントリーとバッカスは、新入りのコールズ巡査と共に捜査を始める。捜査を進めるうちに、家族向けの施設であるブルーバード休暇村の闇の部分が明らかになっていく。
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第18話
サウナに入店した男が、近づいてきた客の1人を突然殴り殺し逃亡する。犯人は店のロッカーに身分証を残しており、ジェントリーとバッカスは、犯人の男が元兵士で、精神不安定を理由に除隊されていたことを突き止める。事件は簡単に解決するものと思われたが、男を治療していた精神科医が事件の翌日に自殺した姿で発見される。さらには男の診療記録が消えていることが判明し、ジェントリーは事件に複雑な背景があると考える。
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第19話
閉鎖が検討されている炭鉱で労働組合代表のアーサー・ホークスの遺体が発見された。発見者の一人である若い労働者、ジョーはアーサーの娘ハンナとの交際をアーサーに猛反対されていた。労働組合の仲間であるビリーとパンダは、アーサーが労働者のみんなを裏切っていたと主張する。またアーサーのロッカーからは300ポンドという大金が見つかった。そんな中、ジェントリーは現場検証中に坑道の崩落事故に遭い、脚を負傷してしまい…。
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第20話
ジョンとレイチェルが客を取り締まるために売春宿の前で張り込んでいると、ある男が宿にやって来る。しかし、男を呼び止めて身元を確認した途端にジョンは態度を一変させ、他の客と同様に取り締まろうとするレイチェルを制して男を見逃す。翌日、レイプされたと訴える女性が警察署にやって来るが、ジョンはまともに取り合わず、早々に聴取を終わらせようとする。そんな中、レイプされ殺害された別の女性の遺体が見つかる。
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第21話
バレリー・カレン医師の遺体が注射器と共に発見された。同僚のプラント医師や別居中の夫であるアンドリュー・カレン医師は自殺の可能性を示唆する。しかしバレリーの家が荒らされ、愛犬が殺されているなど、怪しい点が見えてくる。アンドリューは工場の産業医を務めていたが、そこで何らかの不正行為が行われ、それが彼女の死に関係しているのではないかと推測し、ジェントリーとバッカスらは捜査を進める。
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第22話
ニューカッスルではゴミ収集人たちのストライキが続き、町には回収されないゴミがあふれている。そんな中、橋の下で男性の遺体が見つかる。男は橋から飛び降りたように見えたが、ジェントリーは他殺を疑う。幼なじみの男性2人は、彼が誕生日パーティーでへべれけに酔っ払い、深夜に店から出ていったと証言する。捜査を進めていくと、男はニューカッスル再開発の夢に破れ、借金に苦しんでいたことが判明する。
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第23話
1969年、60年代最後のクリスマス・イブに、機関銃で武装した集団が銀行を襲った。その後、逃走車と共に運転手の若い女が死体で発見される。彼女を含めた犯人たちのファッションから、ジェントリーらはスキンヘッズという不良集団を疑う。レイチェルはスキンヘッズが出入りするクラブに潜入し、リーダー格のジョンジョ・バードンに接近する。ジョンジョにはドラッグ関連の前科もあり、怪しい点が次々と見えてきて…。
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第24話
工場の廃液タンクが数年ぶりに開けられた時、中から男性の遺体が見つかる。身につけていた腕時計から、遺体の男はタンクが塞がれた年に失踪した従業員だと判明する。失踪当時、新人刑事だったバッカスが捜査を担当した事件であり、遺体は見つかっていなかったものの、殺人犯として妻が有罪判決を受けていた。バッカスは妻が犯人で間違いないと主張するが、ジェントリーとコールズは当時の捜査に疑問を覚える。
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第25話 (最終話)
1970年、ついに警察の汚職を暴き、引退を目前に控えたジェントリーは4年前に少女レスリー・ピアスが殺害された未解決事件の再調査を依頼される。またベイトソン・ドネリー建設に対する労働組合のストライキの渦中でジョニー・ウィルソンという男が刺殺され、両方の事件の裏には、ある労働党の議員の影がちらついていることが分かる。2つの殺人事件、そしてストライキ、全てに政府の陰謀が絡んでいることが明らかになり…。
作品詳細
1960年代のイギリスを舞台に、ジェントリー警部が相棒バッカスとともに、様々な事件、そして腐敗した警察組織に不屈の精神で立ち向かう。